私の住んでいるところは日本海沿いの田舎で海がわりと近いので、かにをもらえることはよくあることでした。
小さな頃から冬になると月に2、3回は食卓にかにが並べられていたものです。
父はかにが大好きなので、ゆがいただけのさばいてないそのままのかにを豪快に解体してしまいます。
甲羅と脚を持ってバキッと分離させます。
甲羅にあるみそを食べてから、脚を関節から分けて歯でかみ砕きながら身を取って食べていきます。
無言でとてもおいしそうに食べていたものです。
もちろん私や姉など子どもの分もとりほぐしてくれていました。
ところが、私は好き嫌いが激しい子どもだったのでかにの身は嫌いでした。
けれどかにみそは大好きでこれだけは人の分まで食べていたものです。
かに料理を食べに行っても、両親のはもちろん、祖父母の分までかにみそをもらって、自分の分のかにの脚を交換と言って配っていました。
唯一姉だけは断固としてくれませんでしたが。。。
そのときはケチだと思っていましたが、今思うと当然のことですね。
中学生になって成長期を迎えると、いろんな食べ物がおいしく思えるようになり、だんだんと好き嫌いはなくなってきました。
当然、かにも身も含めて大好物になりました。
今思うと、なんてぜいたくな食べ方をしていたんだと思います。
自分の子どもがこうならないように願うばかりです。