私は昔からカニとエビがなぜか嫌いでした。
見た目も味も好きでは無くて、幼い頃に食べたきり全然食べていませんでした。
きっと食べれない事はなかったのだろうけど、高校卒業するまで食べないでいました。
高校を卒業した後、仲の良い友人の家に遊びに行ったら『久しぶりに遊びに来たから夕飯を食べていきなよ』という話になって、ご飯をご馳走になる事がありました。
私は申し訳ない気持ちと、友人の家で夕飯を頂く機会もなかなか無いので、今夜のご飯はなんだろうという期待でワクワクしながら待っていました。
ご飯とみそ汁が順番にテーブルに並び、友人のお母さんが『次はメインだからね』と笑顔でキッチンに向かいました。
すると私の目の前に大きなカニとエビが出てきました。
そんな日に限って『たまたま美味しいカニとエビを通販でもらったのよね』と友人のお母さんが嬉しそうに出してくれたのでした。
『こんなに大きなカニ、我が家でもめったに食べれないよ!今日来てラッキーだったね!』と友人も嬉しそうに私に言いました。
せっかくの気持ちを無駄にする事もできず、かにもえびも嫌いだと言えずに、ありがとうごさいますと言って私はカニを食べる事にしました。
パクリと一口食べた瞬間。あれ?カニってこんな味だったっけ?と自分が不思議に思うくらいに美味しく感じました。
カニを食べた記憶があるのは幼稚園の頃くらいだったので、自分自身の味覚が変わっていたことに私は全然気付いていませんでした。
そのカニがあまりに美味しかったので、普段はあまり食べない私もついつい夢中になって食べ過ぎてしまいました。
満腹食べて、カニの美味しさも知る事が出来てその日はすごく幸せでした。
その友人の家に遊びに行ったおかげで、私はカニ嫌いを克服することが出来、昔嫌いだったからと言って、今嫌いかどうかは分からないなと改めて感じました。
その後高校の友人みんなで集まろうと言う話になった時に『かに道楽』というお店に行きたいと言うことになり、そのお店を予約しました。
きっと以前の私だったら『嫌だな、行きたくないな~カニ嫌いだし』と思って行っていたかもしれません。
でもその時の私は、心から『良いね~!行こう行こう!』と言う事が出来ました。
本当にカニ好きになって良かったなと思います。
『かに道楽』というお店のカニ料理もとっても美味しくて、友人ともいろんな話で盛り上がって、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
嫌いな食べ物が食べれるようになるとか、好きになる事ってこんなにも素敵なことなんだと実感しました。
友人とその友人のお母さんにとっても感謝しています。