記事内リンクには広告が含まれる場合があります。

北へのあこがれ

 私が鹿児島に来てびっくりしたこと。それは「桜島の灰」と「しろくま」でした。
「桜島の灰」に驚くのは、誰しも納得できることと思いますが、「しろくま」については、その当時まだ、それが「アイス」(かき氷)だという情報が他県にあまり知られていなかったので、私は「白熊の肉」かと思ってびっくりしたのです。
そして、鹿児島に住んで2~3年経つ頃。私は自分の「鹿児島びっくりリスト」に、「北海道物産展」という項目を新たにランクインさせました。
そう、よくデパートで開催されるあの「物産展」。どの土地でも賑わうイベントの一つですが、鹿児島で開催される「北海道物産展」の勢いは、ホンートにすごい!!
聞くところによると、「北海道物産展」における会場売り上げは、鹿児島がNo.1で約7億~8億円にも上り、来場者数は、鹿児島市の延べ人口とほぼ同じ、約60万人というのです。
その「北海道物産展」が開催される季節(年2回)には、「物産展行った?」という言葉が、まるで時候の挨拶かのように交わされます。もちろん、何の物産展かなんて付け加えるのは、野暮というもの。
これはもう「デパートの催事」の枠を超えた、鹿児島市民の恒例行事!よその県から来た私は、20日間近くも続くその開催期間の長さにも舌を巻きます。
そんな時期、オフィスのお弁当の風景も様変わり。
知人や家族、お得意様が「物産展、行ってきたわよ」と、カニので~んと乗った豪華なお弁当をよく差し入れてくれるのです。
「豪華ズワイガニ弁当」(1980円)
「海の幸・タラバガニ弁当」(1780円)
「海の幸・朝採れ特選弁当」(1660円)  などなど…
カニが入るだけで、値段設定も1500円~2000円となる物産展ご自慢のお弁当は、自腹となるとちょっと痛い。
それでも、お弁当のフタを開ければ、そこはもう北海道!
「カニ」の紅白、「イクラ」の黄金のきらめきに目奪われ、口に運べばその美味しさにうっとり。値段のことなんてどこかに吹っ飛んで、また明日、並んで買いに行ける人にお弁当注文を託します。
「物産展」の期間中、「今しかやってない…」「北海道までは行けない…」と、みんなお財布の紐はユルユル。
うちのオフィスで、今まで最高のお弁当代をかけたのは、カニ好きの上司。なんと「弁当代のみで¥4万ちょっと也」さすがに、奥さんの目が怖いと言ってました。
九州… 特に南の鹿児島の人にとって、北海道は遠い北の地。北へのあこがれが強いのかも知れませんね。普段手に入らない品への珍しさに心躍る気持ち、わかります。
ただ私は上司の話を聞いて、「カニ好きでなくて良かった…」と、胸をなで下ろしましたが…。

 

コメントは受け付けていません。