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カニの思い出(カニ料理店編)

とにかく全員が魚介類好きな私の家族です。
中でも、簡単に手の届かない魚介類といえば、代表格はやはり『カニ』ですね。
8年くらい前から、主人の冬のボーナス(寸志とも言う??)の行先は『カニ』。
正月休みには、家族そろってカニ専門店『甲羅』でカニを食べます。
主人も、年に一度『値段なんか気にせず、好きなもの頼めよ~』大げさじゃなく、本当に年に一度のお言葉です。
せっかくのカニですから、昼間の食事でもランチなんか頼みません。
子どもだって、保育園児の分際でありながらお子様セットなんか頼みません。
いつもは、おまけ目当てでお子様ランチしか頼まないくせに、こんな時には、「お子様ランチは?」のお誘いに耳も貸しません。
奮発して食べるカニの美味しいこと美味しいこと。
主人の小遣いから出してくれている、そんなオプション効果もあってか美味しいこと美味しいこと。
贅沢なカニの中でも、なかなか食べられないタラバガニ、我が家では、贅沢の頂点と呼んでいます。
しかも、食べやすく調理をしてくれていて、手を汚すこともなく、無口になることもなく、美味しくいただけるのも、カニ専門店のだいご味です。
しかし、そんな我が家にも、暗雲が…。
3年前、主人が転職。もれなくボーナスなしの生活になりました。
特に、ボーナス払いのローン返済があったわけではないので、さしあたって生活に危機がってことではないのですが、年末がくるたびに、ほのかな寂しさを感じます。
突然の別れを切り出され、疎遠になってしまった元カレを思い出すような、そんな気持ちで、ここ何年か、年越しは、元カレならぬ、元カニを密かに想っています。

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