私が高校生の頃、父方の祖母が他界しました。
まだ60代でした。
祖母は若い頃はとても痩せていたそうですが、私が知る限りでは、日本人離れした、大きなお腹をしていました。
多分、160cmくらいの身長でしたが、80kg以上あったそうです。
子供の頃、よく祖母のお腹に抱きついていました。
その柔らかな感触がたまらなく好きでした。
一緒に住んでいた事もあり、沢山の思いでがありました。
祖父は、戦前は女優のやコマーシャル写真をとったりするカメラマンでした。
モボモガの時代の、最先端の感覚を持っている人で、きっての遊び人でした。
そんな祖父ですから、家を留守にする事が多かったのです。
浮気をして帰って来た祖父を、祖母は怒っては、巨体をおんぶさせて、家を一周させたりしていました。(笑)
子供ながら、祖父母のそんな様子を見ながら、「夫婦って不思議。」
と思っていました。
祖母のお葬式の時に、祖父は号泣していました。
祖父を元気づけようと、しばらくしてから、家族旅行に行きました。
韓国、ソウルへの旅行です。
日本で今、韓国ブームになっていますが、そのずっと前です。
祖父、父と母、妹と私の旅行です。
ソウル空港に到着。
タクシーでウォーカーヒルにあるホテルに向かいました。
ホテルに到着して、初めての韓国に、胸を膨らませていました。
それぞれの部屋に荷物を置いて、ロビーに集合する事になっていましたが、祖父は疲れたので、先に観光してくれ、という事で、4人で観光に行きました。
観光ガイドの人に案内で、野外での焼き肉も堪能しました。
その時に、キムチ漬けの生のかにが出てきました。
父は、キムチも、かにも大好物なので、ぱくぱくと食べていました。
母は、味見程度といいながらも、美味しかったせいか、傍から見ると結構食べていたように思います。
私と妹は、カニが生だと言う事、キムチの辛さが苦手だった事で、食べませんでした。
一通り観光を終え、ホテルに戻ると、ガイドさんが、「ところで、さっきの昼ご飯を食べたところのカニのキムチ漬けは結構、あたったりするんですよね?。」と言いました。
ドキッとしたもののその時は大丈夫だったので、一緒になって笑っていました。
その後、祖父と待ち合わせをして、夕飯には綺麗なチマチョゴリを着た女性たちのいる韓国料亭にいきました。
祖父は綺麗な女性がいるので、張り切って元気一杯でしたが、両親は何となく静かでした。
ホテルに戻ると激痛になり、食中毒と判明し、病院へ行くはめになりました。
一方、祖父は元気に、女性と飲みに行ったようでした。
祖父を元気づける旅行は、とりあえず、目的は果たせたようです。