わたしは30代の主婦で、あまり積極的な性格ではなく、友達もほとんどいません。
学生時代の友達は、年を重ねるごとに、だんだん疎遠になってしまうものです。
気付いたら、わたしには友達と呼べる存在がいませんでした。
主人以外と、プライベートで話すことがないのです。
「たまには友達と遊びにいったら」
と、主人は言ってくれるのですが、遊びに行くような友達もいません。
そんなさみしい日々を送っていたのですが、久々に、小学校時代の友人から連絡が来ました。
友人は県外に就職し、いまやバリバリのキャリアウーマンです。
結婚をしていないのですが、わたしなどよりよほど楽しそうに思われます。
久々に、こっちに戻ってきているというので、それじゃあ何か美味しいものでも食べようということになりました。
「カニ!カニが食べたい」
と、友人は言い、それではカニ料理を食べようということにして、日本料理のお店に行きました。
友人はスマートな体型を維持し、綺麗なままです。
わたしはというと、ふっくら太ってしまい、所帯じみてしまっています。
ちょっと寂しく思いながら友人と会話を楽しんでいると、ゆでたカニの大皿が、どっかんと運ばれてきました。
「おおー、キタキタ」
嬉しそうに言いながら友人は、さっそくカニにかぶりつきます。
スマートな格好をして、食べ方が不器用で、しかも豪快で、ちょっと笑えました。