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かに玉しか作ることができない! 料理奮闘記その1

わたしは一人暮らしのOLですが、2年前に合コンで知り合った人と付き合い始め、半分同棲のような状態が続いています。
わたしの仕事はほぼ定時に終わりますし、朝も比較的ゆっくりなので、家事全般はわたしの仕事になります。
不器用でずぼらなわたしの家事は、お世辞にも行き届いているものではありません。
そうじ一つとっても、角のほうにホコリが残っている有様ですが、彼氏はおおらかで、あまり文句は言いません。
わたしの大きな悩みの一つが、料理です。
わたしは本当に不器用で、料理など、それまでしたことがありませんでした。
彼氏に出す料理も、イモが固いままだったり、味付けが異様に濃かったり、逆に薄かったりで、食べてもらうのが申し訳ない位のものばかりです。
彼氏が何にも言わずに黙って食べてくれるので、反省することもなく、そういう料理を出し続けていたのですが、ある日をきっかけに、料理を頑張ろうという気になりました。
それは、ある寒い日のことです。
わたしは体調を崩し、会社を休みました。
体が辛くて料理すらできない状態でしたので、彼氏に外で食べてくれるようお願いしました。
ところがその日、彼氏は外食してくるどころか、食材を買って早めに帰宅したのです。
そして、わたしの目の前で、ものすごい手際のよさで、さっさと食事を作り、あっというまに食卓を用意してしまったのでした。
「えみちゃん(わたしの名前です)、ごはんができたから一緒に食べよう」
彼氏がにこにこして言いました。
さりげなくそのへんを片付けたり拭いたりのしてくれていて、台所全体が、いつもより綺麗に見えたくらいです。
この人、わたしなんかより遥かに家事ができるわ、と、その時はじめて気付きました。
それは、なんともいえない気分でしたよ。
つづく

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