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蟹人間

先日、我が家の小学校5学年の息子が
「ねえ、お母さん。蟹人間って知ってる?」と、やけに真剣な声で話しかけてきました。
「何それ?アニメなの?」と返すと、実態は詳しくはわからないけど、とにかくそんな幻の生物がいるんだと言い張るのです。
私はどうせご当地キャラクターか何かだろうと思い、軽く受け流していましたが、それでも息子は「昔流行った『人面魚』みたいなのかな。きっとカニの甲羅がさ、人の顔みたいな模様なんだよ、怖~っ」「でも、食べてみたいナ。いや、食べられるのかな?」と興味深々。
「へ~、おもしろいわね」と上の空で返事をしながらも、妙に「蟹人間」という言葉が頭の隅に残ってしまいました。
そして、夜遅く帰宅した主人に「蟹人間」のことをたずねてみまたのですが、やはり主人も「蟹人間」なるものには、全く聞き覚えはないらしく、「まだまだかわいいな」と一笑に付しました。
それから、数ヵ月後。我が家に大きな宅配便が届きました。その箱はクール便。どうやら中身は「カニ」のようでした。久々にカニが並ぶ我が家の豪華な食卓を思い浮かべながら、喜び勇んで箱を開けると、そこには『間人蟹』という文字が…
思わず私は「カニニンゲン」と読んでしまい、いつか息子が話していた「蟹人間」のことを思い出してしまいました。
まさか!と思いながらもう一度見直すと、それは『蟹人間』ではなく『間人蟹』と書いてあるのでした。一体、それを何と読むのか検討もつかず、箱の中に入っているチラシに手を伸ばすと、そこには「タイザガニ」というフリガナが…。
『間人蟹』…それは幻の蟹とも呼ばれている、丹後半島・間人港(たいざこう)に水揚げされるカニだけに与えられる名前。
ああ、これだ!きっと息子はこの文字をどこかで見て『蟹人間』と思い込んだに違いありません。人ってこういう勘違い、よくするものです。実際、私も『カニニンゲン』と読みましたし。(笑)
あの時、息子の話を半ばバカにして聞いていた母親の無知さを思い知り、いつも冷凍のチルド蟹しか食べさせてなかったことに恥ずかしくなりました。
『蟹人間』VS『間人蟹』うーん、これは間違うわね…息子も主人も帰ってきたらきっと驚くだろうと、一人でお腹を抱えて笑ってしまいました。

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