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ばあちゃんとの思い出

3ヶ月前の冬に、父方のばあちゃんが亡くなりました。
享年89歳でした。
子供の頃、よく、ばあちゃんに可愛がってもらいました。
こないだの仕事が休みの日、ベッドに仰向けに寝そべりながら、ボンヤリとばあちゃんとの思い出を思い返していました。
私が幼稚園児の頃だと思いが、母が骨折し病院に入院したため、私は、ばあちゃんの家に一時的に預けられたんです。
もちろん、その間は幼稚園には通えず、暇を持て余していました。
ばあちゃんの作る食事も、山の食材を使った料理が多く、残してばかりいました。
ある日の日中、ばあちゃんと一緒にテレビを観ていました。
観ていた番組の中で、大人が美味しそうに蟹を食べているのを見て、ばあちゃんに「蟹食べたい」と私は言いました。
ばあちゃんは、笑みを浮かべながら「美味しそうだね」と言ってました。
わがままだった子供の頃の私は、大声で泣いて蟹を食べに連れて行ってくれるように頼んだのです。
おそらく、夕方まで泣いていたのだと思います。
ばあちゃんは、泣き止まない私の為に「明日のお昼に蟹食べに行こうね」と言ってくれました。
その時の嬉しかった記憶を今でも覚えています。
翌日、外着に着替えた私とばあちゃんは、バスに乗って町まで下りました。
ばあちゃんの家は、地方の山奥にあるため、近くに蟹料理店などないのです。
1時間30分程バスに乗り、昼頃ようやく町に着きました。
町と行っても、小さな町です。
ばあちゃんと手を繋ぎながら、蟹料理店を探しましたが、なかなか見つかりませんでした。
交番のお巡りさんにも尋ねましたが、分からないと言われました。
当時の子供の私は、足が痛くなったのとお腹が空いたのもあって、泣き出しました。
ばあちゃんは、「蟹料理のお店ないみたいだけど、他の料理のお店でもいい?」と聞いてきたのです。
私は、うんっと頷きました。
その日、蟹料理の代わりに何の料理を食べたのか、今となっては思い出せません。
その日から早、20数年が経ち、ばあちゃんは天国に旅立ったのです。
本当にわがままだった子供の頃の私を、可愛がってもらって感謝の気持ちでいっぱいです。
大学を卒業し就職してから、ばあちゃんを食事に招待しようと考えていましたが、そのうちと思っているうちに、月日が流れてしまいました。
あの時の、ばあちゃんと蟹料理のお店を探した記憶は、ばあちゃんとの思い出の中で一番鮮明に覚えています。
ばあちゃん、天国でじいちゃんと仲良く暮らして下さいね。

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