何年か前、インターフォンが鳴り、出てみるとクール宅急便でした。
冷たい段ボールで包装された大きな箱で、何だろう、と思いつつ、クール宅急便なので、箱を開けて冷蔵庫、或いは冷凍庫に入れる必要があります。
「品名」のところを見ると、カニ、と書いてありました。
えええ、と思ったのを覚えています。
高級食材のカニをわざわざ送ってくださったのは一体どなただろう、と。
記入されているお名前は会社の名前で、どうやら知人の方が数日前に社員旅行で北海道に行かれたとのことで、そのお土産を現地から送ってくださった、という流れだったようです。
とにかくせっかくいただいたカニなので、どうしようかということになりました。
あけてみると毛ガニが入っていて、これだとボイルするよりもお鍋がおいしいのではないか、という結論になりました。
早速カニをメインにした海鮮鍋にするために、タラやホタテ、エビなどの海鮮類や、鍋ものの定番の白菜やしらたき、豆腐を準備し、カニ鍋にしました。
これが、ものすごくおいしいのです。
カニの身がおいしいのは当然のことながら、だしも良かったです。
本当は翌日、お鍋の残りを食べた後にこのだしを使って雑炊にする予定だったのですが、海鮮の高級食材の性でしょうか足が早く、翌日はいただけませんでした。
その点だけは未だに残念ですが、思いがけずカニをいただいて嬉しかったことや、お鍋がおいしかったことに今でも感謝しています。